2026年3月は3/21(土)にZoom句会を実施。
今回も回答任意でアンケートを実施。
Q:あなたの地元自慢やお国(故郷)自慢を教えてください
結果はこちら
句会報:2026年3月「海原オンライン句会」
【高点句】(5点以上)
手のひらの木漏れ日こぼし種を蒔く あかり
鳥の名をふたつほど知る日永かな 信子
次は終点春風に乗り換へる 原洋一
山笑う少し遅れて鳴る時計 黒済泰子
トランプ節毎日がエイプリルフール 後藤雅文
春燈や神田古書店紙の音 源汰
朧夜を濡れてもどりし回覧板 小西瞬夏
春塵や柱にねじの穴三つ 青山雀
初蝶来話聴くよというように 丹羽あやこ
いもうとが結婚したよ「風の電話」 野口佐稔
春の日の童話のなかの平和かな 野村正孝
いぬふぐり素顔のやうな空き地かな 矢野二十四
永き日を乗り継ぎてゆく里のバス 矢野二十四
【参加者各一句】(高点句以外)
花びらになりすます君へもぐり込む 有馬育代
面影を座椅子に偲ぶ春の暮れ イチゴ
三・一一「風の電話」の十五年 樹下修司
降り積もる言葉を割りて雪解川 木村寛伸
多喜二の忌いい人ばかりの軍隊 夏谷胡桃
下さいな。忘れる力一夜草 満葉
春分の日の石段の高さかな 伊藤ペンタ郎
土に横たふ一人旅冴え返る 井上べん
猛る蛇身の内を砂ながれいて 男波弘志
春休み振り子眠たき保健室 川嶋安起夫
指揮者手をゆっくりと上げ草青む 小松敦
桜餅心くすぐる塩加減 貞行
還暦の学生の靴春の風 遙海季夏
男らの野性に還る野焼きかな 姫
春の風ときどき時間のぞきにくる 平田薫
春の雨レトルトで人間になる 石川まゆみ
胸奥にわだかまる百の宿り木 石橋いろり
模倣・反発・創造桜蘂降る 大渕久幸
今晩はチャーハンにしよう猫の恋 カラビンカ
揚雲雀記者の背後に爆発音 さかいまゆみ
ホルムズ海峡に鯨潮ふき裏返る 大文字良
春うらら道をよこぎる白いねこ たんぽぽ
天麩羅派味噌派歴歴ふきのたう 長谷歌子
うすらひをすぐ割りたい派見つめたい派 野口思づゑ
春隣まめ鰺こ鰯ガラタ橋 坂内まんさく
策無しの原子廃炉や桜貝 前田夏菜子
雪降るやオーケストラの波動来る 石井妙子
やはらかく去り春の鳶君のやうに 石鎚優
眼ひらきて眠る魚よ春の星 榎本祐子
首のばす体操紅梅が満開 桂凜火
梅の枝しんとはしまで寒き空 窪おと
つまみたる指の加減や鶯餅 坂川花蓮
熊笹のめっきり青む春山路 塩野正春
窓に散るサクラ四条派円山派 田中信克
雪原の狐振り返りゴトンと汽車が 田中怜子
笹鳴きや辛口ソースのハンバーグ 樽谷宗寛
◇
今回は初参加5名を含む48名。うち27名は海原以外からの参加。最高点句は9点「手のひらの」、「木漏れ日」を受けた「手のひら」に種を載せて傾け、土にこぼして蒔く、その時の実感。「木漏れ日」を希望の暗喩と読む人も。同「鳥の名を」、「ふたつほど」が何気なくリアル、「日永」を感じる。既視感あり新鮮味に欠けるとの声も。8点「次は終点」、「風に乗る」は常套句、それでも「乗り換え」に解放感やワクワクを感じた人は採った。7点「山笑う」、「少し遅れて」に望洋とした春の時間を感じる。「山笑う」の離れ具合がいい。同「トランプ節」、面白いけど川柳。戦死者が出ているので笑えない。6点「春燈や」、「春燈」がノスタルジック。「紙の音」は賛否別れた。同「朧夜を」、「濡れて」がリアル、でも何故濡れた?。 以下5点句「春塵や」、「穴」に惹かれた、「三つ」に物語がある。「初蝶来」、近寄って来る優しさ。私も聴いてほしい。「いもうとが」、花嫁姿を見せてあげたかった。「春の日の」、アイロニー、現状への危機感。「いぬふぐり」、あるがままの美しさ。「永き日を」、ゆったりとした気分、郷愁、人生のゆとり。
今月の「金子兜太・語録」は、1972年『定住漂泊』より「現代俳句の本格」です。
「海原」ホームページ「海原テラス」コーナーの
「現代俳句の本格」をご覧ください。 (記:「海原」小松敦)

