春野 三枝みずほ

『海原』No.26(2021/3/1発行)誌面より

◆第2回海原金子兜太賞受賞第一作〔3回連作・その2〕

春野 三枝みずほ

罫線に沿うもう青空に追いつけない
塗りつぶす文字や焦げ臭い鉛筆
手のひらをはなれ睦月の光とは
オルゴール開けば立春核家族
水すこし零れ二月の巻き貝は
曲線の交わるところ青き魚
明るさの連なる声や黄水仙
陽だまりの窪みにうさぎ涅槃西風
春泥を弾む生まれたてのことば
仰向けに春野おおかみ来るころか

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です