2026年10月は10/24(土)にZOOM句会を実施。
今回も回答任意でアンケートを実施。
Q:芸術の秋。本や映画や舞台などのお気に入り、観たい、読みたい、おすすめしたいものなど教えてください。
結果はこちら
句会報:2026年10月「海原オンライン句会」
【高点句】(5点以上)
さよならの歩幅を合はす花野かな 原洋一
柿ひとつ残して僕の空がある 田中信克
AIに己をさらしもずの贄 姫
少年の長い晩年兜虫 小松敦
つぶやきのごとくどんぐり踏みゆけり 坂川花蓮
窓磨く色なき風の音を聞く 花舎薫
龍淵に我いつまでも戦後の子 大渕久幸
必ずつていつよ鬼灯まだ青い 原洋一
冬瓜とごろ寝している妻の留守 矢野二十四
十六夜や銭と余命を勘定す 板助
月を手でかくすわたしがバレぬやう 有馬育代
穴惑い一緒に暮らしたいという 小松敦
野ねずみのとぎれとぎれに詩を書いて 榎本祐子
辞令なく配置転換案山子立つ 木村寛伸
嘘つくと決めて蓑虫羽ばたきぬ 石川まゆみ
手放したものら月光に晒される 榎本祐子
時効なき罪に従ふ明けの月 源汰
【参加者各一句】(高点句以外)
ともに老いし庭木と語る初冬かな 石鎚優
まつさらな白布広げて秋にいる 樽谷宗寛
階段をあの日を追ってひとり秋 杏奈
いとけなき耳の産毛や水の秋 男波弘志
星月夜ライオン吠えそう操車場 さかいまゆみ
ユトリロの絵に虹を描き部屋に貼る 井上べん
秋霖や世界のごとく髪切られ 川崎拓音
母の声遠く聞こゆる赤トンボ 川嶋安起夫
秋涼し音読は先ず社説から 黒済泰子
幸せは今年も丹波栗の飯 大文字良
一通も便り無き日や赤とんぼ 丹羽あやこ
蜻蛉は声わたしは羽をなつかしむ 平田薫
笑い声天まで届け秋の空 たんぽぽ
初孫や小さき頭にカボチャ帽 イチゴ
ぎとぎとの青春なんてフレー芒 後藤まさふみ
障子貼るひかり浴ぶ猫長々と 貞行
ふと忘れふと思い出す芋嵐 塩野正春
小鳥来る神は来ないがまあいいか 夏谷胡桃
赤蜻蛉代行バスの長き列 満葉
この章に続編ありや月光る うづき巴那
ジョン・ウェインは見果てぬ夢かノヴェンバー 樹下修司
小言いふ義母の陰踏む秋の蝿 佐林治哉
バス停に椅子ある街が秋に合う 野口佐稔
部屋の名はりんどうスッキリ眠れそう 野口思づゑ
まどろめば闇夜となりぬ秋の暮れ 山田泰則
お団子かおはぎか迷った挙句に見えぬ月 夢咲希
窓開くれば虫の音やさしふる里の部屋 あかり
ニューヨーク紅葉想う故郷や 癒やし
岩風呂や歯茎にけん玉当る音 葛城広光
芋掘りへ向かうバスあり鰯雲 北濵義博
栗爆発事件勃発午前九時 坂内まんさく
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初参加2名、計45名参加。人数が多くなってきたので、今回から出句数を3句から2句に変更。最高点は13点「さよならの」、読者それぞれに「さよなら」のドラマあり。「歩幅を合わす」には皆思いやりを感じた。美しい「花野」には枯れゆく切なさもある。10点「柿ひとつ」、映像的。柿の向こうの空に深みあり。9点「AIに」、上五中七の現状を「鵙の贄」と風刺。分かり過ぎるも空恐ろしさに共感。同「少年の」、老いてなお少年であり続ける人に短命だが力強い兜虫が重なる。8点「つぶやきの」、「どんぐり」の割れる音がする人と、割れない足裏の感触という人がいて面白い。「ように」ではなく「ごとく」にわだかまりを感じる。同「窓磨く」、窓を磨きながら目だけでなく耳でもクリアな秋を感じている。7点「龍淵に」、淵に潜む龍を戦後感覚の暗喩と捉え特選、その一方で観念句との声もあり評価が分かれた。同「必ずつて」、「まだ青い」うちにさっさとやろう。同「冬瓜と」、この夫婦の関係性を想像してほっこり。6点「十六夜や」、躊躇いながらも切実。同「月を手で」、バレてる可愛らしさ。同「穴惑い」、「暮らしたい」のは恋か老いかで全く違ってくる。つくづく俳句は読者のものと感じた。ほか5点句も多数。
今月の「金子兜太・語録」は、今回は、『詩形一本』より「無季の句二つ」です。
「海原」ホームページ「海原テラス」コーナーの
無季の句二つ 金子兜太 をご覧ください。
(記:「海原」小松敦)

