2026年9月は9/19(土)にZOOM句会を実施。
今回も回答任意でアンケートを実施。
Q:作句に一番集中できる時間帯や場所について教えてください。また、作句に集中するために何か工夫をしていることはありますか。
結果はこちら
句会報:2026年9月「海原オンライン句会」
【高点句】(5点以上)
母にまだ団栗の降る音がする 小西瞬夏
秋遍路小さき影をつれ歩く 矢野二十四
刈田ゆくわれに属さぬ影ひとつ 木村寛伸
向日葵の延長線にある故郷 佐藤詠子
曼珠沙華「嫉妬のような影ですね」 矢野二十四
朝顔がゴクリと水を飲み込んだ 夢咲希
草の花ぢぢとばばとのスクワット 石鎚優
大正琴に母の旧姓律の風 石橋いろり
箱開けて小石がひとつ星月夜 榎本祐子
深淵に櫂さしいれる月明り 桂凛火
インクだけよく出るようだ敗戦忌 川嶋安起夫
ランドルト環みな盆踊りしてをりぬ 木村寛伸
地球儀を廻す左手敗戦忌 源汰
震災忌餃子を包む公民館 後藤雅文
青き魚の泡のぼりくる星月夜 小西瞬夏
【参加者各一句】(高点句以外)
何人殺したらわかるのか炎昼 井上べん
晩夏光スーツケースと下る坂 花舎薫
母の書の出だし軽やか秋の水 さかいまゆみ
右寄りの寝癖のままや小鳥来る 貞行
遠花火ひとり還らぬことの意味 田中信克
静脈のとろりと青き十三夜 原洋一
仏壇も墓もいらない白芙蓉 姫
手の甲の点滴跡や秋北斗 満葉
夜の玻璃に守宮の聞き耳の白し 有馬育代
虫時雨シュプレヒコールの浸潤 板垣俊春
桐一葉わずか抗う再雇用 岡田誠
青い火に照らされている縄電車 葛城広光
青どんぐりどれほど笑うことだろう 小松敦
空蝉の日待やコルセット取れるまで 塩野正春
コンビニの灯羽化せる蝉を手のひらに 田中怜子
ぴよんと跳んで越ゆる国境夏休 長谷歌子
穴惑い終活ノートを前にして 野口佐稔
この秋思煙ばかりで火は弱い 大渕久幸
楠木の祈りのヴェール長崎忌 樹下修司
北山しぐれ比叡の僧の足早に 樽谷宗寛
梨むけば子供の頃に戻りゆく たんぽぽ
椎茸や元にもどれぬ村がある 夏谷胡桃
コーヒーの苦味のような残暑かな 野村正孝
こほもりの軌跡なぞればカリグラフイー 坂内まんさく
泥鴨は月見草などぽおっと吐く 平田薫
吉相を探す掌水澄めり 向井麻代
船往くは空の境界鳥渡る 柳咲八
葡萄吸ふ吐き出すもののなかりけり 青山雀
秋の日に療法士らの若き声 いちご
今朝の秋ラインで受取るエコー写真 うづき巴那
朝陽照る灯油缶持つ手の白さ うほのすけ
水道であらう眼鏡や晩夏光 男波弘志
夕花野リコーダー吹く少年像 川崎拓音
宵闇に雨の匂ひの人過ぐる 坂川花蓮
昼飯はえび玉丼秋の雨 大文字良
町内で買い付けシャインマスカット 丹羽あやこ
母にまた拝み太郎の祖母が来た 野口思づゑ
黒猫の臍のにほへる昼寝覚 石川まゆみ
みっつめの眼では奥まで観るのだぞ 北濵義博
さわやかやアラーム前の空は赤 町野いるか
◇
参加者増えて52名。初参加お二人ともが「AIのお勧めで参加」と聞いてびっくり。さて、最高点は9点「母にまだ」、母の中に今でもある「団栗の降る音」、それは童女のような心のことかもしれない。皆、母を思う気持ちで採った。採らない人からは意味が取り切れないとの意見。8点「秋遍路」、映像がよく見える。「小さき」に心境が現れている。「影をつれ歩く」に類想感あるやも。7点「刈田ゆく」、「われに属さぬ影」の解釈が千差万別。犬、バッタ、どうにもならない自分、等々。6点「向日葵の」、向日葵と故郷が明るく繋がっている。同「曼珠沙華」、まさに「嫉妬」のフォルム。同「朝顔が」、酷暑の水やりの実感。漫画っぽいけど素直。ほか五点句も多数ですが割愛。次回からは出句数2句に変更する一方で「特選」を設ける予定です。
今月の「金子兜太・語録」は、『海程』59号より「縦深志向」です。
「海原」ホームページ「海原テラス」コーナーの
「縦深志向 金子兜太」 をご覧ください。
(記:「海原」小松敦)

