2026年6月は6/20(土)にZOOM句会を実施。
今回も回答任意でアンケートを実施。
Q:作句をする上で大切にしていること、意識していることはどんなことですか?
結果はこちら
句会報:2026年6月「海原オンライン句会」
【高点句】(5点以上)
花桐や抽斗ごとに別の闇 男波弘志
病名を付けてもらつて梅雨明ける 矢野二十四
さくらんぼ心音つれて帰りけり 川崎拓音
ハンカチに残る一日の疲れかな 坂川花蓮
どこまでが母さんどこまで薔薇園 夏谷胡桃
心太ストンと抜ける迷い道 桂凜火
伸ばす手につなぐ手のあり合歓の花 川嶋安起夫
再検査歪む封書や梅雨に入る 貞行
業平忌小面ひとつ打ちあがる 樽谷宗寛
てのこんだひとしなよりも冷ややっこ たんぽぽ
あなたの嘘はいつもその色桜桃忌 原洋一
【参加者各一句】(高点句以外)
紫陽花に血液型があればA 伊藤ペンタ郎
万緑を一本取って巣繕う 井上べん
花茣蓙の肌にささらぐ記憶かな 花舎薫
静かなりシルバー・バックの梅雨雫 樹下修司
六月をちひさく歌ふ鳩時計 小西瞬夏
梅雨晴間髪を束ねて読むニーチェ さかいまゆみ
ほうたるにありさう出場時間割 長谷歌子
硬切符に日付けの滲み若葉風 姫
夏の蝶白ければまた白をとぶ 平田薫
田鏡やスマホデビューの祖母の指 満葉
ブルーライト眠れぬ蛾より苦情あり 有馬育代
トマト切る誰かが痛い殺傷武器 石川まゆみ
黒南風や背負ふものみな物語 木村寛伸
ちび枇杷よ無料と書いて鳥を待つ 後藤雅文
何度でも忘れぬように蝉生まる 小松敦
卯波そのまま戦争がそのままに 田中信克
六月や黒ぐろ沈む鯉の影 丹羽あやこ
黴の香や各階光るエレベーター 青山雀
青海波眠るイルカの夢の跡 あかり
初夏の雀にウィンクされ困る 石鎚優
短夜のジュークボックスからジュリー 大渕久幸
モンローの流し目眩し栗の花 源汰
時の日もだいぶ遅れて路線バス 野口佐稔
父の日に過去と現在繋ぐ酒 二月結卯
老人の骨が地中でダンスする 葛城広光
八月の雲原爆を許さない 大文字良
雨音を聞きながら寝る梅雨が好き 野口思づゑ
耳たぶを褒める床屋出若葉風 坂内まんさく
朝顔のマグにコーヒー朝の部屋 イチゴ
三日月や1%未達の帰路 山元残香
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今回は初参加1名を含む41名。今回も老若男女、初心者からベテランまで色々なタイプの句が集まった。最高点は13点「花桐や」、「花桐」が明るくこの句を立ち上げている。「闇」が深まる。しかしネガティブな闇ではなく、「抽斗ごとに」様々な思いが詰っている、むしろ愛おしい闇。「抽斗」のモチーフに類想を感じた人は採らなかった。11点「病名を」、原因が分かると対策できる安心感。分かり易過ぎる?でもよかった。7点「さくらんぼ」、採った人の解釈が色々。サクランボを大事に持ち帰る様子、ようやく授かった吾子、何かウキウキして心はスキップ、等々。採らない人からは、景が浮かばないと。6点「ハンカチに」、素直で実感あり。日常のリアリティ。「残る」は言わずもがなかも。同「どこまでが」、「母」と「薔薇園」の重なり合いを感受できた人は採った。「どこまで(が)」の表現に、優しさや美しさや命の境界を感じて心が落ち着かない。心惹かれる問題句。「認知症」との解釈もあった。以下5点句「心太」、突き出し感、のど越し感、解決感、爽快感。「伸ばす手に」、ナチュラルなしぐさにほのぼの。若い男女か老老か、幼子か老親か、シンプルだけど奥行あり。「合歓の花」、優しすぎてもいいじゃない。「再検査」、気持ちが「歪む」し「梅雨に入る」。実感と言う方はお大事にどうぞ。「業平忌」、つき過ぎとの声に対して、この句は「業平忌」への強い想いがあってこそ。「打ちあがる」とはなかなか言えない。「てのこんだ」、「冷」以外は平仮名表記で「冷ややっこ」の素朴な味わいが視覚的に表現されている!「あなたの嘘は」、一面的な印象ではあるまいかとの異論もあり。
今月の「金子兜太・語録」は、『俳諧有情金子兜太対談集』(三一書房1988)の「肉体を賭けた季節感ー佐佐木幸綱」より一部抜粋です。
「海原」ホームページ「海原テラス」コーナーの
「肉体を賭けた季節感(一部抜粋)」対談・佐佐木幸綱×金子兜太 をご覧ください。
(記:「海原」小松敦)

