2026年5月は5/16(土)にZOOM句会を実施。
今回も回答任意でアンケートを実施。
Q:俳句をやる上で参考にした本やおすすめの教材などを教えてください
結果はこちら
句会報:2026年5月「海原オンライン句会」
【高点句】(5点以上)
あなたとはいつも水羊羮の距離 原洋一
死ぬとすぐ他の金魚を飼う女 男波弘志
全開の怪獣図鑑夏来たる 源汰
五月人形鎧に触れて父となる 木村寛伸
愛憎やパイナップルの抱き加減 小西瞬夏
行間につまずいている目借時 矢野二十四
二階には動いていない扇風機 大渕久幸
昭和の日清張の唇を読む 後藤雅文
はつ夏のサンドウヰツチにはきうり 小松敦
夏めくや草を離れぬ犬の鼻 さかいまゆみ
初夏の少女やさしく鐵を焼く 田中信克
鈴蘭や女ばかりの読書会 夏谷胡桃
【参加者各一句】(高点句以外)
ひと筋に気怠さを載せなめくじら 貞行
新緑に心の容積五割増し 野口思づゑ
蚯蚓這う大人はぬるっと忘れ合う 山下一夫
草の芽のひとつひとつにアウシュビッツ 青山雀
万緑に小さな呪文おき忘れ 有馬育代
売り家に鉢植え並ぶみどりの日 井上べん
遠のいてよかったような顔蛙 桂凜火
さようならの口を封ぜり花かりん(壺春堂にて) 樽谷宗寛
爆撃と天豆爆ぜる夜数え 満葉
かもめ来る赤屋根の家風五月 あかり
オリーブの花だ先生来てるかな 石川まゆみ
雲梯を掴みしままに夏の空 川嶋安起夫
ナイターのどよめく渦とため息と 坂川花蓮
凱旋や児の手に確と長け蕨 長谷歌子
鉄柵に凭れば五月の光る海 丹羽あやこ
核家族子は一匹の鯉のぼり 野口佐稔
風薫る追手逃れしマリア像 信子
葉桜や寂しいけれど笑うだけ 野村正孝
春耕のコツAIにきく今農家 坂内まんさく
春草の抜けども土を抱きたる 石鎚優
モモスモモBTSと言われても 花舎薫
希望という浮雲見つく子どもの日 樹下修司
日にひとつぽよんといいことたんぽぽ咲く 平田薫
夏めくやカーテンの白洗いけり イチゴ
夏近き日の側溝の影淡く 伊藤ペンタ郎
花菜畑波打つ子猫遊ぶらむ 遙海季夏
キリシタン灯篭濡らす若葉雨 姫
◇
今回は39名。このところ毎回約半数は欠席投句。この句会報では高点句のみごく簡単なレポートだが、合評では予期せぬ意見の交わし合いが楽しい。お時間が許せばZOOM句会にもぜひどうぞ。さて、最高点句は11点「あなたとは」、「水羊羮」に喩えた二人の関係性を、読者それぞれに想像できた。さっぱりしている、付かず離れず、無難な贈答品、等々。とある常連参加者から、この句の「水羊羹」に「季感」はあるか、「季題(一句の主題)」として読んだ時にどうかとの提言があった。例えば五点句「二階には」の「扇風機」についても同様の意見。「俳句は季題の詩(虚子)」とする立場もあれば、そうではない人もいる。俳句とは?と考え直すきっかけになった。10点「死ぬとすぐ」、この「女」特有の性格を様々に想像。暗喩として深読みする人も。9点「全開の」、「夏来たる」喜びがまさに「全開」。「恐竜」ではなく「怪獣」が微笑ましい。6点「五月人形」、実際に「触れて」みて初めて実感するものがある。同「愛憎や」、「抱き加減」がユニーク。硬いけど柔らかい、甘くて酸っぱい、そんな関係。同「行間に」、読書の時、物を書いている時、どうしても眠くなる。「目借時」が効いている。以下5点句「二階には」、「には」から感じる存在感やドラマがある。「昭和の日」、ぶつぶつ言いながら執筆する昭和の文豪「清張の唇」が見える。「はつ夏の」、一昔の歯ざわり、きっと路地もの。「夏めくや」、犬を飼っている人の実感、「鼻」がいい。「初夏の」、よく分からないけど気になる句。「少女やさしく」と「鐵を焼く」のギャップが鮮烈。「鈴蘭や」、凛とした雰囲気等、「鈴蘭」が「女ばかり」の様子をリアルに想像させる。
今月の「金子兜太・語録」は、1977年(昭和52年)「海程」十五周年記念大会の講演「叙情について」です。
「海原」ホームページ「海原テラス」コーナーの
「叙情について 金子兜太」をご覧ください。 (記:「海原」小松敦)

