「海原オンライン句会」7月は15日(土)にZoom句会を実施。
8月は休会。9月申込受付中。https://kaigen.art/online/
今回は、回答任意でアンケートも実施。①あなたにとって選句とは何?②あなたにとって海原・海程らしさとは何? 結果はこちら。よろしければご覧ください。そのうち句会とは別に、皆さんのご関心あるテーマで座談会、ディスカッションなど企画予定。乞うご期待。
句会報:海原オンライン句会:2023年7月15日
【高点句】(五点以上)
水でっぽう人撃つことをためらはず 宮下由美
晩年は忙しいんだアロハシャツ 後藤雅文
「検索」の奥へ隙間へ御器かぶり 石川まゆみ
空蝉を嗅ぐ戦争がかさかさと 小西瞬夏
四畳半一間扇風機が猫背 藤川宏樹
炎昼や情夫のやうに眠りたる 安部拓朗
星涼し恐竜図鑑めくるたび 小西瞬夏
釜蓋朔日とふ頬杖にのる重さ 柳生正名
【参加者各一句】(高点句以外)
泰山木の花君の斜面へ逢ひにゆく 石鎚優
万緑の中悪相の鳩がいる 榎本祐子
往復書簡途絶えて久し夏薊 大浦ともこ
刃を引けば切り絵のヒマワリ遠見する 小田嶋美和子
ピッチャーにシュークリームを握らせる 葛城広光
水遊びわざと濡れて泣いたこどもだった 桂凜火
ででむしに親友居るか訊ねけり 上脇すみ子
河童の忌喰わず仕舞いの毒饅頭 木村寛伸
蚯蚓玉出穂の国の潤いじゃ 小池信平
真白な腕青蔦のつかむ空 小松敦
葛桜恋はつるんとしてかなし 田中信克
ごろ寝二足と四本かすか触れあう梅雨晴れ間 谷口道子
さあパリ祭だお菓子の好きな妻よ子よ 樽谷宗寛
私から我が飛び出す噴水や 野口思づゑ
白南風や明日のパンを買いにゆく 藤田敦子
移る日やひまわりの笑顔信じる日 増田暁子
荒梅雨やパチンコ屋の解体音 満葉
枇杷熟るる「今はどなたもゐませんよ」 矢野二十四
枇杷の葉の揺れて小禽とびたてり 吉澤恭香
二十六名参加。三句出し五句選で合評。八点「水でっぽう」、実は恐ろしい句。国内外の政治情勢も想起させる。八点「晩年は」、アロハシャツの軽やかさに共感多数なるも、この句の眼目は意味内容より「忙しいんだ」の話し言葉口語表現でありそこを掬い取るべきとの意見あり。六点「検索」は、中七が前後に係る構成が巧み。五点「空蝉を」、視覚・嗅覚・聴覚とマルチモダールな身体感覚。「四畳半」は「猫背」のノスタルジー。「炎昼や」の「情夫」には共感・疑問それぞれ。「星涼し」は太古のロマン。「釜蓋朔日」は物象感溢れる季語に中下の身体感覚を衝突させイメージ膨らみ、意見多数大盛況。
今回も無点句含め全句合評。回答任意でアンケートも実施。①あなたにとって選句とは何?②あなたにとって海原・海程らしさとは何?結果をこちらで掲載しているのでよろしければご覧ください。
(記:「海原」小松敦)