「海原」代表を引き受けて 堀之内長一

『海原』No.75(2026/1/1発行)誌面より

◆同人・会友のみなさまへ
「海原」代表を引き受けて 堀之内長一

 本年一月より、安西篤さんの後を継いで代表を務めることになりました。微力ではありますが、今後も海原の充実をめざしていきたいと考えます。同人・会友のみなさまの変わらぬご支援とご協力をお願い申し上げます。
 金子兜太先生が他界されて、早や八年目を迎えます。海原は今、同人・会友を合わせて約四百人近い連集が集まっています、いったいその魅力とは何だろうか、と常々思いを馳せているのですが、何と言っても、金子兜太先生の俳句の教えとその人間的魅力の磁力圏が、狭まるどころか広がっているからだろうと思います。金子兜太先生を直接知らない方々も増えています。それでも伝道師のように先生の遺志をつぐ仲間が周りにいて、さまざまな努力をなされているからに違いありません。
 「俳誌に拠る」という言い方があります。俳句は一人でもできる文芸ですが、やはり、同好の仲間と切磋琢磨していくことで、より一層表現に深みが増していくのではないでしょうか。これまで編集者を自分の本分として海原を作ってきましたが、いつもそこに“拠りたくなる俳誌”を心がけてきました。もうしばらく編集にもかかわっていきますが、その気持ちを忘れずに後継の準備も徐々に進めていきたいと考えています。その第一歩として、小松敦さんに副編集長の任に就いていただきました。
 何度か述べてきたように、「海原」はいわばプラットホームです。そこには、だれでも立つことができ、自分の方向を見つめて、そこから自由にはばたくことができる場所になることを願っています。俳句は当然のことながら、各人の研究成果の発表の場としても、大いに活用してください。最近の例を挙げれば、マブソン青眼さんの現代俳句協会賞、同じく董振華さんの特別賞のほか、評論の部門では、今は亡き岡崎万寿さんをはじめ、齊藤しじみさん、石橋いろりさんの論考等は外部からも高い評価を受けています。
 最後に、金子先生から引き継ぐ「俳諧自由」です。俳諧自由は、もちろん野放図という意味でないことは明らかですが、今や世界は多様化の時代です。「海原」の俳句の行方も、必ず日々の実践の中から見えてくると確信しています。自由に、そして生々しく。俳句を愛する気持ちを忘れずに、ともに歩んでいきましょう。

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