稲架の風 田中信克/第7回海原金子兜太賞受賞第一作〔3回連作・その1〕

『海原』No.75(2026/1/1発行)誌面より

第7回海原金子兜太賞受賞第一作〔3回連作・その1〕

稲架の風 田中信克

月白し風は白米千枚田
明日のこと海からの風稲架の風
復興のてのひらうすく米を研ぐ
ぼれてもた町がそのまま雪迎え
解体撤去瓦礫と土砂と冬ひろがる
冬凪一羽跳ばねばならぬ鳥がいて
一日ひとひまかなう配給ポリタンクに霙
在るということのさまざま冬銀河
雪は斑らにブルーシートに渡る風
指そっと遅日をたどる壁の
ひび

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です