海原オンライン句会では、参加者の要望をもとにして、随時アンケートを行っています。みんなに聞いてみたいテーマがあれば、どんどんご意見・ご要望をお寄せください。
2025年12月「海原オンライン句会」アンケート〈任意回答・順不同〉
Q:あなたの愛唱句を教えてください。
○ 日焼止めひとすぢ腕にもらひけり 千野千佳
○ 小春日やときどき歩く立ち話 津川絵里子
○ いくつかの字が燃え残る焚火かな 対馬康子
○ 白服の胸を開いて干されけり 対馬康子
○ 夏蝶はふわっと石を手放して 平田薫
○ 風を見るきれいな合図ぶらさげて 阿部完市
○ 涙なし蝶かんかんと触れ合いて 金子兜太
○ 天に声あふるるときは雪とならむ 北村美都子
○ 地の涯に倖せありと来しが雪 細谷源二
○ 金魚手向けん肉屋の鉤に彼奴を吊り 中村草田男
○ 初蝶やわが三十の袖袂 石田波郷
○ 天上も淋しからんに燕子花 鈴木六林男
○ 三日月がめそめそといる米の飯 金子兜太
○ 能面を二つに割れば二つの蝶 宮崎重作
○ ゆく雁やひたすら言語たらんとして 小川双々子
○ 荒星や毛布にくるむサキソフォン 攝津幸彦
○ 雁ゆくやキッチン・ドリンカーの姉に 中烏健二
○ ああなんと放物線の夜長かな 田中信克
○ これがまあ終のすみかか雪五尺 小林一茶
○ 子規に触れ蓑虫に触れ国家論 若森京子
○ 飴切の音軽やかに春の宵(柴又にて)塩野正春
○ 金魚悠悠終末時計加速中 塩野正春
○ チャットアプリ津軽弁てう難問 塩野正春
○ まっすぐな道でさみしい 種田山頭火
○ うどん供えて母よわたしくもいただきまする 種田山頭火
○ 濁れる水の流れつつ澄む 種田山頭火
○ 一片のパセリ掃かるる暖炉かな 芝不器男
○ 君を送りて思ふことあり蚊帳に泣く 正岡子規
○ いくたびも雪の深さを尋ねけり 正岡子規
○ どこまでも枯木と見せて梅の花 正岡子規
○ 折り鶴をひらけばいちまいの朧 渋谷道
○ 四温かなペン胼胝一つ芽のかたち 成田千空
○ 人体冷えて東北白い花盛り 金子兜太
○ 蒸籠より出したばかりの春の月 金子敦
○ じゃんけんで負けて蛍に生まれたの 池田澄子
○ 長寿の母うんこのようにわれを産みぬ 金子兜太
○ 咳をしても一人 尾崎放哉
○ 戦争が廊下の奥に立ってゐた 渡辺白泉
○ 湾曲し火傷し爆心地のマラソン 金子兜太
○ 銀行員等朝より蛍光す烏賊のごとく 金子兜太
○ 人体冷えて東北白い花盛り 金子兜太
○ 果樹園がシャツ一枚の俺の孤島 金子兜太
○ あやまちはくりかへします秋の暮 三橋敏雄
○ 車にも仰臥という死春の月 高野ムツオ
○ 戦争に注意 白線の内側へ 大井恒行
○ 祈るべき天とおもえど天の病む 石牟礼道子
○ 冬菊のまとふはおのがひかりのみ 水原秋桜子
○ 囀りをこぼさじと抱く大樹かな 星野立子
○ 酒止めようかどの本能と遊ぼうか 金子兜太
○ 蝌蚪つまむ指頭の力愛に似て 金子兜太
○ まだ人のかたちで桜見ています 月野ぽぽな
○ 焼かないで姉は凍蝶きつと飛ぶ 川崎千鶴子
○ 母の家出全然OKななかまど 石川まゆみ
○ そらいろの空はだいろの人はるうれい 望月士郎
○ ギンヤンマいい質問がつぎつぎ来る 宮崎斗士
○ 夢の世に葱を作りて寂しさよ 永田耕衣
○ 落日をたしかめにゆく蝸牛 塩野谷仁
○ 八月の赤子はいまも宙を蹴る 宇多喜代子
○ 冬ぞらはすこしへりたるナフタリン 阿部青鞋
○ しんしんと肺碧きまで海のたび 篠原鳳作
○ 暗闇の眼玉濡らさず泳ぐなり 鈴木六林男
○ 鉛筆の遺書ならば忘れ易からむ 林田紀音夫
○ 蝶墜ちて大音響の結氷期 富澤赤黄男
○ 声だすとほどけてしまう紐がある 大西泰世
以上

